新・洗濯絵表示徹底解説⑤ ~ドライクリーニングについて~

シリーズでお伝えしている、「新・洗濯絵表示徹底解説」。
これまで、こんな洗濯絵表示についてご紹介してきました。

 

1回目:9月6日「洗濯絵表示の基本記号について」

 

2回目:9月11日「洗い方(水洗い)について」

 

3回目:9月13日「漂白と乾燥の仕方について」

 

4回目:9月18日「アイロンのかけ方について」

 
これまでは、皆さんがご家庭で洗濯する際に参考にしていく洗濯絵表示を解説してきました。

しかし洗濯絵表示はご家庭での洗濯のやり方の指針を示すだけではありません。

我々クリーニング業者も洗濯絵表示の確認を行いながら、クリーニング作業を進めています。

今日は、クリーニング業者が、必ず把握していなければならない絵表示の1つ「ドライクリーニング」の洗濯絵表示について、皆さんに徹底解説していきたいと思います!

ドライクリーニング作業1
「ドライクリーニング」という言葉はよく聞きけど、実際「何?」で洗っているの?
水で洗う家での洗濯と、どう違うの?
そんな疑問にもお答えしていきたいと思います。
ぜひご覧ください^^

 
ドライクリーニングの洗濯絵表示はこんな表示です。

ドライクリーニングについて

皆さん、ご覧になったことがあるでしょうか?
上段が2016年11月までの旧洗濯絵表示

下段が現在の洗濯絵表示です。

 

旧洗濯絵表示

左側:ドライクリーニングできる 溶剤は石油系もしくはパークロロエチレンのものを

中央:ドライクリーニングできる 溶剤は石油系のものを

右側:ドライクリーニングできない

 

マークの中に『ドライ』の文字があるので、「あ、これはドライクリーニングなんだな」となんとなく推測することができるのではないでしょうか?
一方、現在の絵表示をご覧ください。

ドライクリーニング絵表示新
『P』や『F』の文字がありますが、このアルファベットが何を示すのか、推測することも難しいですよね。
1番左:ドライクリーニングできる 溶剤はパークロロエチレンのものを。通常の処理

左から2番目:ドライクリーニングできる 溶剤はパークロロエチレンのものを。弱い処理

中央:ドライクリーニングできる 溶剤は石油系のものを 通常の処理

右から2番目:ドライクリーニングできる。溶剤は石油系のものを 弱い処理

1番右:ドライクリーニングできない

 

※このドライクリーニングの記号は、タンブル乾燥処理を含めた処理を指します。

 

ドライクリーニングは「水」ではなく「油」で洗浄を行います。

水で洗うと、縮みや型崩れを起こしやすい衣類に対してドライクリーニングを行います。
その「油」は、クリーニングのための特別な溶剤なんです。

『P』と『F』はその溶剤の種類を示しています。

 

1番一般的に利用されているものは「石油系」の溶剤です。

デリケートな衣類の洗浄に適しているとされています。
パークロロエチレンの溶剤は、油汚れに対する洗浄力が非常に高いので短時間で洗浄、乾燥処理ができます。

しかし、洋服の素材によっては適さず、洋服に付属しているボタンやビーズなどを痛めてしまう可能性があります。

 

従来の絵表示は、この2つの溶剤について、明確に区別した絵表示ではありませんでした。

現在は、どちらの溶剤を使用してドライクリーニング処理を行うか、また洗浄処理を行う上での強度もわかるようになっています。
※洗濯絵表示に『P』や『F』の文字が入っているからといって、必ずしもクリーニングに出さなければならないわけではありません。

「水洗い」可のマークがあれば、ご家庭で洗濯していただくことができます。

 

絵表示が適切な処理方法を示してくれていることで、お預かりした衣類を痛めることなく、効率的に洗浄処理を行うことができるようになりました。

 

今日解説したような、使用する溶剤の種類まで示す洗濯絵表示なんて、皆さんは覚えておく必要はありません。

しかし、頭の隅に少しでも入れておくことで、オシャレ着やデリケートな衣類のお手入れの判断もしやすくなるのではないでしょうか?

 

洋服に合った、適切な処理の仕方を覚えて、お気に入りの洋服でのオシャレを長く楽しんでくださいね^^

オシャレ

 
情報参照:消費者庁 洗濯絵表示

http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html